幼馴染みのお隣さん





啓は魔法使い。

あたしを笑顔にしてくれる。


悲しいときも。

苦しいときも。

辛いときも。



いつも傍に居てくれるのは啓で。


いつもあたしを喜ばせるのも啓で。

いつもあたしを怒らせるのも啓で。

いつもあたしを安心させるのも啓で。

いつもあたしを悲しませるのも啓。



あたしは啓のあやつり人形。


啓と一緒にいて、啓に操られる。


「……啓、意地悪」

「は? じゃあ、こっちに置いて行ってやろうか?」

「……ヤダ」

「俺はいつでも、お前を放せるぞ?」


放せるのに、放してくれない。

「……バカ。啓はあたしと一緒」

「・・・」



あれ?

言い返してこない。




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