幼馴染みのお隣さん
「着いたけど。今日、飯作れ」
「え?」
「じゃましまーす」
「はあ?」
そういいながらも、少し嬉しい。
あたしと啓は1人暮らし。
たまに親がチョコチョコ遊びに来る、くらい。
だから啓が疲れてる時とか、体調不良の時には、あたしがご飯を作ってる。
でもさ、今日は――
「啓、今日は一緒に作ろ?」
「は?」
だって、部活も休んできたみたいだし(あたしのせいだろうけど)疲れてないっぽいし。
「…いーじゃん。啓もヒマでしょ?」
「……じゃあカレーな」
「啓…」
「なに、手伝ってやるんだけど?」
「ありがと」
「どーも」
楽しみながら、カレーを作った。
この時ね、忘れられたんだ。
晴樹先輩の事。
あんなに好きだったのに、今ではもう頭の片隅にしかない。
きっとさ、本気じゃ、なかったんだ。