幼馴染みのお隣さん
啓はモテるし、あたしが渡さなくても貰ってる。
「…いいの?
他の子の食べさせちゃって」
啓だって、おいしくないあたしの弁当食べるより、他の子のおいしい弁当食べた方がいいよ。
女子に囲まれてる啓。
ほら、貰ってるじゃん。
お弁当、何個も。
他の子の方がおいしいもんね。
そういいながら、辛くなってくる。
啓、食べないで。
ねえ、たまにはあたしに貰いに来てよ?
どんな捻くれた言葉でもいいから。
だけど啓は貰った弁当を持ち、教室を出て行った。
ガタっ
思わず、立ちあがってしまう。
「……あ~あ。早くしないから」
そんな沙希の言葉に、胸が苦しくなる。
あたし、何期待しちゃってんだろう。