幼馴染みのお隣さん
ゆっくりと、イスに座り直す。
握りしめた弁当。
「…真希」
このまま、啓が他の子の食べちゃっていいの?
……いいワケがない。
他の子の食べないで。
「沙希! あたしトイレ行ってくる!」
弁当を持ち、走り出した。
「トイレに弁当持って行くの?
ウチ他の子と食べるから、帰って来ても1人だよ~?」
後ろから沙希の声が聞こえる。
沙希は何気に気を使ってくれる、大切な友達。
「ったく。素直じゃないんだから。あの2人」
沙希がそんな事を言ってるなんて知らなかった。
啓が行く場所と言ったら、あそこだ!
あたしは階段を全速力で上がる。
そして、古びたドアを力任せに開けた。
バンっ
そこには、
「静かに開けれねぇのかよ…」
寝転がりながら、優しい笑みを浮かべる啓が居た。