幼馴染みのお隣さん




「…お前、覚えとけ」

そこにはドス黒いオーラーを纏った男が仁王立ちであたしを見下ろしていた。


その恐ろしさに、あたしは生唾を飲み込んだ。





ピ―――っ!!


「渡っ! パスっ!!」

「海木! 受け取れっ!!」

「ドリブルだ! ドリブルっ!!」

みんなの練習試合が始まった。

みんなカッコいいのに、やっぱりあたしは啓を見てしまう。


足も速くて…、
綺麗で…。


「金成! 啓にパスだっ!」

「金成! 来いっ!!」

金成君からボールを取り、ゴールに走る啓。


「啓っ! シュートっ!!!」

思わず叫んでしまった。



バシッ


「「「キャアアァァァアアアア!!!」」」

歓声が上がるギャラリーに、仲間と喜ぶ啓。


そんな啓に、あたしも笑ってしまう。






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