幼馴染みのお隣さん
啓がこっちに向かってくる。
「啓! ナイスシュート!!」
ピースをすると、優しく微笑む啓。
「お前声デカ過ぎ…」
「え゛?!! そんなに大きかった?!」
「あぁ。でもサンキュ」
あたしの頭をクシャっと撫で、部室の中に消えて行った。
……体温上昇中。
ヤバイ、かも。
あたしは火照った顔を手で覆った。
「おっそぉ~い!」
「うっせぇ。片付けがあんだよ」
「にしても! 遅すぎでしょ?!!」
「…うっせぇよ」
そういいながらも、実は早く啓と一緒に帰りたかったと言う…ね。
自分で考えながらも、自然と顔が緩む。
「…何ニヤけてんだよ、気持ちわりぃ」
「うっさい」
あたしに手を差し伸べてくれる。
その大きな手に、あたしの小さな手を重ねた。