アリスの恋人
ふっ…と、空が暗く陰る。

「不思議の国への始まりは、いつでも昼下がりの微睡みの中…」

「誰…!?」

「僕さ、やぁアリス。
久しぶりだね?」

その声を聞いて、まだ幼い頃に見た笑う猫とイカレタ帽子屋とトランプの夢が色鮮やかに蘇った。
「あの時の…」

アリスは振り向きながら呟く。やはりそこにいたのはふわふわの毛皮の上にチョッキを着込んだ白ウサギ。

「さぁ、入り口はこないだと同じ、庭にぽっかりあいた深い穴!!」

そう言って白ウサギは駆け出す。反射的にアリスは追いかけた。

「待って!白ウサギさん!」
そのとき、白ウサギの姿がふっと消えた。

「きゃあっ!!」

落とし穴が口をあけてアリスを待っていた。
アリスは二回目の不思議の国への道をたどる。

< 3 / 3 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop