【短】甘く愛して欲しいのに!
そしてクリスマスイヴの日。
そろそろ練習も終わる時間かなと思って、あたしはグラウンドにやってきた。
本当に一瞬だけ一緒にいられれば満足だから…。
こんな寒い中でも、汗を流す選手達。
大きな声が飛び交い、ピリピリとした緊張感が溢れてる。
その中でも一番よく動き、声を出してる悠希はすぐに見付けられた。
あまりサッカーに詳しくないあたしでも、悠希がどれだけ重要な役割を果たしているかは分かる。
「カッコイイ…」
思わず声が漏れてしまう程、悠希はキラキラ輝いてて…すごく生き生きしてる。
もう少しで終わるのかと思ってた練習だったけど、全く終わる気配はなくて……
そのまま二時間、離れた場所から見守っていた。
待ち時間も退屈することなく…むしろ、胸がドキドキうるさかった。
23時前、やっと片付けも終わったみたい。