【短】甘く愛して欲しいのに!
着替えて戻ってきた悠希の首には、さっきあげたばかりのマフラーが巻かれていた。
やーっぱり似合う!
「……ったく、ニヤニヤしてんな」
「えへへ。今日きてよかったなーって」
これでまた大会まで、悠希の応援がおもいっきりできる。
こんなに今日は寒いのに、心はポカポカあったかい。
歩き始めたとき……
ギュッ
悠希の左手に、あたしの右手は包まれた。
驚いて悠希を見上げると、いつもと何も変わらない態度で……
「寒いから仕方なくだ。手袋もくれればよかったのに」
ぶっきらぼうに言い放ったその姿がかわいくて、あたしの顔はきっとまたニヤけてる。
ギュウッ
あたしが握り返すと、今度は悠希がこっちを見た。
このドキドキする感じ、すごく好き。