【短】甘く愛して欲しいのに!
それからもずっと好調な悠希は、キツいマークに囲まれた。


それでも、これまで培ってきたチームプレーでパスを繋いでいく。


どうしても悠希個人の技術力が頭一つ飛び出てしまうけど、決勝までこれたのは、もちろん悠希一人の力じゃない。


「行け、行けー!」


「そうだ!いいぞっ」


大勢の観客も応援に熱が入る。


『ワーッ!』


『ワーッ!』


ピーッ…ピーッ…ピーッ!


主審の笛が試合終了を告げたとき、悠希の顔には今まで見たことないぐらいの笑顔があった。


結果はもちろん優勝で、悠希はハットトリックまで決めた。


これ以上ないってぐらいうれしくて、あたしの目からは涙が溢れる。

こんなに鳥肌が立つ試合、生まれて初めて見た!


早くおめでとうって伝えたいな。
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