【短】甘く愛して欲しいのに!
「まじで分かってねーの?」


呆れたような表情をした後、少し拗ねたようにまた話し始めた。


「今までサッカーが一番だったのに、急に俺の心わしづかみにして、気持ち掻き乱して…」


ちょっと早口で喋るから、益々あたしは混乱する。


「そんな俺の気持ち全く分かってなくて、キスしたいだの言われたら、揺れるに決まってる!」


ん…?

これって、あたしの話…なんだよね?


「俺だってずっと光とキスしたかったし、光に触れたかった」


ドキッ!


「俺がどれだけ光のこと好きか分かってんの?…お前バカ過ぎ」


そんなふうに想ってくれてたなんて、今まで全然気付かなかった。

嫌われてたわけじゃ、本当にないんだ?


「それでもね、あたしの方が絶対悠希のこと好きだよ!他に何もできないけど、それだけは自信あるもんっ」
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