【短】甘く愛して欲しいのに!
「何の話してんのかは分かんなかったけど、すっげぇ楽しそうに笑ってて…今までサッカーにしか興味なかったのに、何でか気になり始めた」


ドキッ


悠希がそんな顔で話すなんて、嘘じゃないんだよね?

そんなに前から、あたしのこと知ってくれてたんだ…。


「それからは光が帰るとき、ずっと見てる俺がいた」


「あ、じゃあ覚えてる?あたしね、悠希のサッカーボール拾ったことあるんだよ」


いつも通り友達と帰ってるとき、コロコロとボールがあたしの足元に転がってきた。

それを悠希に返したのが、あたしが悠希を知ったきっかけ。


悠希の噂はたくさん耳に入ってたけど、あたしは自分で見たものしか信じないタイプだから。


「覚えてるっつーか、あれ、わざとだし」


「わざと!?」


それってどういう意味…。


「あんなどんぴしゃでボールが光の足元に行くと思う?」
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