本日の降水確率0%
「ここに居たんだ。良かった……」

 胸を撫で下ろす彼に、我が目を疑った。

 どうして川端くんがいるの?

「さっきはごめん」

 川端くんは頭を下げて謝ると、

「あんな風に言うつもりなかったのに……」

 切なそうに言って、彼はもう一度ごめん、と口にした。

 雨の降る地面を見つめながら、

「川端くんの言葉で、私傷ついたんだよ。言われて、とてもショックだった」

 私は言った。

「熊谷……ごめん」

 また謝られた。

 雨音に耳を傾けながら、再び川端くんを見上げ、

「ショックだったんだから」

 切ない声で言った。

「だから、言うつもりは無かったんだけど、つい……」

 言い訳する彼に、

「結果的に言ったじゃない!」

 私は声を荒げる。それが引き金となり、私達は雨の中で初めての喧嘩を始めてしまった。
 互いにエキサイトして、半ば収拾がつかなくなったとき、

「好きな人に、言われたくなかった!」

 私は思わず秘めていた想いを口に出してしまった。

 まさか、こんな形で想いを告げるとは。

 言った後で、しまった。私は唇を噛みながら後悔した。
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