本日の降水確率0%
私と川端くんは肩を並べて雨が降る外を見つめていた。
相変わらず、雨はまだやむ気配は無い。灰色の空を見上げ、私はため息を漏らした。
「熊谷」川端くんが私を呼ぶ。
「俺、さっき教室で酷い事言ったけど、 熊谷が雨女だったとしても、構わないよ」
失礼な発言だと思ったけれど、何も言わず彼の言葉に耳を傾けていた。
「実は俺、熊谷と反対の《晴れ男》なんだ。もし、これから熊谷が泣いて雨が降ったら、俺が笑って晴れにするから」
川端くんは恥ずかしそうに言って、
「で、ようは付き合って欲しいんです」
と、言葉を繋いだ。
「クサイ台詞だね」
冷やかし半分で彼を見て、私は言った。
「もし、私が泣いて雨が降ったら、絶対晴れにしてくれるんでしょ?」
恥ずかしさに頬が熱くなる。
「約束してね」
小声で囁くと、
「お前だって、クサイ台詞言ってるじゃん」
川端くんも笑って同じことを言った。
「つまりそれって、付き合ってくれるってコトだよね?」
その問いに、私は「うん」とうなずく。
彼は立ち上がると、私に手を差し出した。
「それじゃ、教室に戻ろう」
「……うん」
返事と一緒に手を伸ばし、差し出された手を掴むと、私達はその場を後にする。
先ほどまで降っていた雨は、次第に雨脚を弱め、教室に戻る頃には雲の隙間から太陽が顔を覗かせていた。
【完】
相変わらず、雨はまだやむ気配は無い。灰色の空を見上げ、私はため息を漏らした。
「熊谷」川端くんが私を呼ぶ。
「俺、さっき教室で酷い事言ったけど、 熊谷が雨女だったとしても、構わないよ」
失礼な発言だと思ったけれど、何も言わず彼の言葉に耳を傾けていた。
「実は俺、熊谷と反対の《晴れ男》なんだ。もし、これから熊谷が泣いて雨が降ったら、俺が笑って晴れにするから」
川端くんは恥ずかしそうに言って、
「で、ようは付き合って欲しいんです」
と、言葉を繋いだ。
「クサイ台詞だね」
冷やかし半分で彼を見て、私は言った。
「もし、私が泣いて雨が降ったら、絶対晴れにしてくれるんでしょ?」
恥ずかしさに頬が熱くなる。
「約束してね」
小声で囁くと、
「お前だって、クサイ台詞言ってるじゃん」
川端くんも笑って同じことを言った。
「つまりそれって、付き合ってくれるってコトだよね?」
その問いに、私は「うん」とうなずく。
彼は立ち上がると、私に手を差し出した。
「それじゃ、教室に戻ろう」
「……うん」
返事と一緒に手を伸ばし、差し出された手を掴むと、私達はその場を後にする。
先ほどまで降っていた雨は、次第に雨脚を弱め、教室に戻る頃には雲の隙間から太陽が顔を覗かせていた。
【完】