もしも愛が嘘ならば
「あり得ないっ…あり得ないからっ!」
枕を投げつけて、部屋を出て行こうとした。
『そうやって、現実から逃げてんだろ』
でも、掴まれた腕のせいで足は前に進まなかった。
「…違うっ!」
『人と親しくしてしまうと死ぬのが怖くなるから、冷たく当たる。本当は罪悪感を感じてるくせに』
「違うっ…違うのっ!」
『でも、結局は死ぬのが怖くて。誰かに助けを求めてる』
震えだした足には力なんてものはない。
「…っ…いっ嫌っ!!!」
先生の手を振りほどいて、その場に座り込むことしか出来ないんだ。