もしも愛が嘘ならば
大げさにため息を吐いた先生は、無表情で。
しかも無言で、病室を出て行った。
「…え。怒らせた?」
一人で自分に問いかける言葉は、無性に寂しさを増加させる。
別に放っておけばいいでしょ。
別にあんな先生関係ないし。
別に…
別にね。
けれど。
体ってこんなに、無責任で。
でも一番素直なんだと、思う。
「先生っ!…もう、認める…認めるからっ!」
なんでわたしは、
「戻ってきてよ!…早くわたしを助けなさいよっ!」
…先生を追いかけているんだろう。