もしも愛が嘘ならば


“コンコン”



『……は?…』



ノックが鳴ったのに、動けなくて。


手が震えて、足も震えて。



『なんで泣いてる?』



無性に胸が冷たい。


先生の腕がわたしに伸びてくるけれど、

それを避けるようにベットから降りた。



『逃げんな』


「…離して…っ…」


『…ちっ…』



勢いよくドアを開ける。


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