もしも愛が嘘ならば


“コンコン”


静かな個室に響き渡るノック音。


返事をしないで黙っていると、ドアを開ける音がした。



『…返事くらいしろよ』



ダルそうな口調でそう呟いたのは


見たことも無い、男。



「勝手に入ってくるのも非常識ですけど」



白衣を着た黒猫。


そう、ほんとに第一印象はそれだった。



『俺が、今日から星那 梓の担当医』


「へーそう」

< 4 / 59 >

この作品をシェア

pagetop