もしも愛が嘘ならば


「前から気になってたんだけど」


先生は難しそうな本を読みながら、相槌を打つ。



「何歳なの?」


『歳?』


「…うん。これも聞いちゃ駄目?」



少しだけ目線をこちらに向けてから、また本へと向きなおした先生。



『22』


「…は?」



めんどくさそうに口を開く先生は、あからさまにわたしを睨んだ。


『22歳』


「……うそ」



『なんで嘘つかなきゃいけねーんだよ』


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