もしも愛が嘘ならば
『んなの、医者はできません』
どこの部屋よりも豪華なテーブルにソファー。
それを使って仕事を始めた先生。
ノートパソコンを開いて、器用に指を動かしている。
「ホントに、医者って馬鹿しかいない」
『俺は馬鹿じゃないけどね』
静かにベットから降りて、先生のいるソファーに近づく。
「皆、馬鹿。わたしにビクビクして。…まあ、もう少しで死ぬから仕方がないのかもね」
先生を見ながらパソコンに手をかける。
「…でも、親がお金を持ってるからってのが、一番の理由だと思うの」
そして、ゆっくりとそれを閉じた。
『なにすんだよ』