スキトキメイテキス【BL】
ケーキは嫌いじゃないし、丁度バイトをしようと思っていたところでもあった。
可愛い妹の為にたまには一肌脱いでやろうと思ってしまったのがそもそもの間違いで……。
『お兄ちゃん、水野さんのこと何か分かったら絶対に教えてね』
『何かって?』
『誕生日とか、好きなモノとか……彼女いるか、とか』
妹が好き、とはいえ、禁断の一線を越えたいとかじゃない。
見てるだけで、そこに居てくれるだけで癒されるというか……頼りにされているのが分かるから嬉しいというか。
兎に角、僕は妹の頼みだけは断れない。
『絶対だからね!』
そんな風にお願いされてしまえば断れる訳もなく。
イケメンとはいえ相手は三十路過ぎたオッサンだ。
そんなヤツと僕の可愛い妹がどうにかなれる訳なんて無いんだから、彼女が居ようが居まいがどうでもいい。
けど、約束したからには教えてやらないとならない。