同棲彼氏
そして、そんな蒼くんに憧れる毎日が続いたある日。この日は、バレンタインデーだった。



「蒼くん、あげる」



そう言って蒼くんにチョコを渡す女の子達。



負けないもん。



あたしなんか、他の子と違って手作りだもん。



あたしはチョコレートの包みをギュッと握った。



「蒼くん、これ・・・」

「え?」



蒼くんの腕には、既にたくさんのチョコが入っていた。



「手作りなの・・・。本命だよ!」

「え」



蒼くんはしばらく固まっていた。



「えーっと、僕・・・じゃなくて、俺に?」

「うん!」



どうしたんだろう・・・。



イヤだったかな・・・。



「本当に!?みやちん、楓(カエデ)くんの事が好きなんじゃないの!?」

「え?何で楓くん?」



楓くんは、あたしのお隣のお家の子。


「さっき、チョコくれた女の子に『誰が好きなの?』って聞かれたから、・・・『みやちん』って言ったら、『みやちんはダメよ。楓くんが好きなのよ』って言われて・・・」



え?今・・・


「あたし・・・が好きなの?」

「うん・・・」



蒼くん!



「大好き~!」

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