同棲彼氏

バカな二人

あたしって、本当にバカ。



バカな理由、その一。



真湖斗がキスされたのは事故って分かっていながら、真湖斗の頬を叩いてしまった事。



幸い、私の力はそんなに強くなかったから痛くはなさそうだったけど。



バカな理由、その二。



真湖斗の家に帰ってきてしまったこと。



いや、真湖斗の家しか帰る場所がない。



実家は遠すぎだし、前住んでいたアパートは既(すで)に解約済み。



そうなると、真湖斗の家に帰るしかなくて・・・。



家に入ったとたんになるお腹。



そっか・・・。お昼、食べてないんだっけ・・・。



その時、家の電話が鳴った。



癒鶴だ、と分かっているんだけど、今日はなんだか癒鶴と喋んないといけない気がして電話に出た。



「何?電話するなってあれだけ忠告したよね?」

<今日はちゃんとした用があって電話しました>

「じゃあ何の用?真湖斗は留守だけど?」

<それは好都合です。私、優美さんにお話があって電話しました>



何、私に用って・・・。
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