同棲彼氏
「あっ!そうだ!」



私――優美(目線の早代わりは気にしない事!)は電話を手に取った。



「私の親にも真湖斗の親にも結婚する事言ってないじゃん」

「・・・いいよ、親に電話しなくて」

「何言ってんの!親に結婚報告しない子供がどこにいるの!」

「ここ」



私は真湖斗をバシッと叩いた。



「とりあえず私から電話するからっ!」



そう言って私は親に電話した。



それにしても、コールが長い。



一分くらい経って、もう切ろう、って時にやっと繋がった。



<もしもし>



出たのはお母さん。



「あ、私、優美」

<何?何か用?>



おいおい・・・久しぶりの我が子からの電話を「何か用?」で返すのはひどくないかい?



<あたし、せっかくシュウくんとイイトコだったのに・・・。優美に邪魔された>



『イイトコ』!? それ、娘の前で言う言葉じゃなくない?



「・・・私・・・真湖斗と結婚するから」

<えー!本当!? シュウくん!優美が真湖斗さんと結婚するってー!>

<おぉっ!本当か!?>

<キャッ!シュウくん、裸・・・。カッコイイ・・・>



電話の奥から聞こえる声は無視しよう・・・。
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