あの娘
近づく
「枢~。お前が外練習で遅れてくるなんて珍しいな。」
先ほどまで顧問にがっつり叱られてやっと開放された。
基礎練習を委員会で遅れてきた鈴木悠斗とやる。
「うるせぇ」
「機嫌悪いですねー」
「ちょっと...いろいろあってな。」
「あっそ。てかお前のクラス球技大会のこと決まった?」
「知るか。俺委員じゃねぇし」
「俺のクラスさぁ、半分ぐらい決まったけどあとは応援団と実行委員だけなんだよね。」
「ふーん」
「ほら、やっぱりうちの学校は部活で入ったやつら多いから放課後練習で残されるのは困るってやつら多いのさー」
「確かに。」
「だろー?女子はやりたい奴多いけど男子がのってこねぇ。ここで俺が考えたのが...瀬戸さんを応援団か実行委員にいれること!」
思わぬ人物が出てきて俺はボールをかすめてしまう。
うわ...かっこわりぃ....
「だっせぇ!」
悠斗は俺を指差して笑うためムカついて強めにパスを回す。
「うるせぇよ!てかなんで瀬戸さん?」
「あれ?瀬戸さん知ってるの?」
「まぁ、よくは知らない。」
「実はな。うちのクラスで密かに人気の女子なんだよ。狙ってるやつ多いし、申し訳ないけど瀬戸さんに餌になってもらう!」
「それひどいだろ」
「って思ったけど、あまりの動揺でボールをかすめるアホがいるからやっぱやめるよ。」
「は?!」
「お前も瀬戸さんのファンなのか....」