あの娘


「枢、おい、枢!」

自分の名前を呼ばれているように感じてうっすらと目をあけると俺の目の前には、友人の伊藤結城が立っていた。


「…授業、終わった?」

「とっくにな。早く支度しろよ」

結城はすでに鞄を持っている。ということは俺はHRまでも寝ていたというわけか。

「はいはい…」

俺は必要なものだけを鞄に入れて結城と一緒に教室をでる。

「枢、今日カラオケ行こうぜ。」

「俺は部活だって」

「はっ?!こんなに雨降ってるのにかよ!!!」

そんなこと俺も言いたいところだ。
明日が大会でなければ雨の日の室内練習などつまらないに決まっている。

「明日大会なんだよ。だから体育館で室内練習だよ…」

「あ、そうなんだ。ま、頑張ってこい♪」

「おうよ、じゃあまた明日な!」

そういって結城と別れて部室に向かう。

部室にはすでに数人の部員が着替えをしていた。

「こんにちわ、先輩」

「うっす、枢、早くしろよ!!」

「はい!」

着替えを早く済まして体育館に集合した。

そこからダッシュや筋トレをしてからフットサル用のボールでボール蹴り。




「先ー生!」




そんな声が聞こえて俺は真後ろのところにいる顧問のほうを見た。


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