あの娘
「枢。お前どこ行ってたんだ?先生が授業だけは真面目に出るお前が無断欠席するもんだから驚いてたぞ」
教室に戻ると、結城が一目散に近づいてきた。
「いや、なんでもない」
「なんかあっただろ。顔が真っ赤だぞ。」
「なんでもない」
結城はにっこりと笑顔をつくり、俺の肩を持つ。
「言 え」
その一言が異様に威圧があった。
「…瀬戸さんと授業をさぼってました。」
「どうしてそうなった?」
「流れで」
簡単に答えると結城の左手が俺の頭へと直撃した。
「俺にもわかりやすいように」
叩かれた部分を撫でながら、先程の一連を話す。
意外と頭の痛みは長引いた。