あの娘

D組の入り口の前で教室を覗き込むが昨日の子は見当たらない。

｢枢、どの子だよ？｣

｢いや…いない…｣

｢はぁッ？！間違いか？？｣

｢わかんねぇ｣

｢あれ？枢！うちのクラスに何か用？｣

廊下から現れた中学の友人の里緒に声をかけられた。
その瞬間結城の目が輝いた。

｢俺の友人が瀬戸って子を気に入ったらしくて見に来たんだけどさ、どの子？｣

俺は今すぐにでもこいつの頭を叩き割りたい勢いだ。

｢え？瀬戸さん？瀬戸さんは〜…今いないみたい。てか昼休みはたいていいないよ｣

｢そうなの？あ、このこと瀬戸さんに言わないでね！俺の友人照れ屋でさ、俺ら怒られるから｣

｢いいよ、言わない｣

里緒はそのまま教室に入っていった。

｢よかったな〜枢！顧問に聞いて♪｣

｢お前の脳みそえぐり出してやりたい…｣

｢おー怖い怖い♪｣