禁断の恋
旅の宿
出会い系サイトで美恵と康弘が知り合ってから三ヶ月が過ぎようとしていた。
二人はサイトでの偶然の出会いが、まさかこれ程までに深い関係になるとはお互いに思ってもいなかった。
そして、幹男の東京出張に合わせて、美恵と康弘は一泊二日で北陸方面へ旅行する事にした。
季節は一月の上旬で、北陸地方は深い雪に覆われていた。
最初康弘は温かい四国や九州方面がいいと思っていたが、美恵が冬の日本海が見たいと言うので、石川県の山代温泉に宿を予約した。
山代温泉と言えば北陸随一の温泉地で知られる加賀温泉郷の一画にあり、粟津温泉や山中温泉や片山津温泉等が点在する風光明媚な所である。
二人は康弘の車で滋賀県の鯖街道を抜けて福井県の越前岬で海鮮料理をいただいた後、山道を登って越前岬の灯台付近から冬の日本海を肩を寄せ合いながら眺めた。
シ−ズンオフで山頂には美恵と康弘以外誰もおらず、二人は貸し切り状態で冬の越前の景色を満喫し、きつく抱きしめ合いながら何度もキスを交わした。