汚レ唄


「……ほんと、何やってんだかな」

誰もいない家。

小さく呟く声は誰に届くのだろう。




服を着替えて洗面台へ行った。

顔を洗って、手首に残ったティッシュを洗い流そうとした。



冷たい水に触れる。


「いったぁ!!!」

何コレ!?

尋常じゃないほど痛いんだけど!!




「ばっかみたい」

こんなことして、本当
「バカだよ。あんたは」



淡い流した後でも傷口からは少しだけ血が出てこようとしてて、慌ててティッシュでまた拭う。




玄関を覗き込むと、お兄ちゃんの靴はまだない。



やっぱりまだ帰ってきてないんだ。


まだ、あの人のところにいるんだ。




「まぁ、いいや」


感じるな。

鈍感になれ。



自分に言い聞かせてカレーを注ぐ。


朝、昼兼用のご飯は昨日の残り物のカレー。

それを食べた後は掃除機かけて、英語の予習に単語でも調べよう。




うん。今日1日はそれをしよう。



掃除機をかけた後、自分の部屋に行き、辞書と教科書を持ってリビングに持って下りる。


ついでに、机の上に転がっていた携帯も持って、テレビを見ながら勉強しよう。



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