汚レ唄


「……携帯、携帯……携帯」


そういえば、昨日メールが来てたっけ。

忘れてたけど、このメールがなかったら多分、もっとひどいことになってただろう。




「誰からだったんだろう」

携帯を開きメールを読むと、差出人は祐君だった。

なんだか久しぶりにメールが来たような気がする。


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 To:陽菜ちゃん
 件名:祐です
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 内容:こんな時間にごめんね。

 陽菜ちゃんは寝てるかもしれない。でも、陽菜ちゃんに言いたいことがあったんだ。

 さっき、眠れなくて窓を開けて空をみたんだ。

 そしたら、何が見えたと思う?

 流れ星!!

 僕ね、流れ星見たの、生まれて初めてで。
 感動してたら陽菜ちゃんに言いたくなったんだ。

 陽菜ちゃんの言うとおりだった。

 綺麗なものがたくさん見えるようになったよ。

 ありがとう。
 おやすみ
──────────────



私、祐君に何か言ったっけ?


よくわからない。




だけど、『ありがとう』この言葉は胸の奥に染み込んだ。


じんわり染み込んで、染みた部分からじんわり温まる。



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