汚レ唄


『あれ、流れ星!!』って慌てるお兄ちゃんの指差すほうを見ると、プラネタリウムで見た流れ星がそこに流れていて

お願いすれば願いが叶うって聞いたけど、そんな暇ないくらい流れ星は早く流れていった。



それで、願い事がいえなかった私は一杯泣いちゃって、結局お兄ちゃんを困らせちゃったんだよね。




なつかしいな。


どの思い出にしても、いつもすぐそばにお兄ちゃんがいたんだ。


ズズっと鼻をすすって、服の袖で涙を拭う。


それから、メールを打ち直した。



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 To:祐君
 件名:無題
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 内容:昨日、眠っちゃってて返事遅くなっちゃった。ごめんね。

流れ星かぁ。いいね。
何かお願い事した?
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別に冷たくしたい訳じゃない。

だけど、お兄ちゃんとの思い出が大きくて、たくさんありすぎて……、
それに触れないようによけたら、こんな風なメールになってしまったってだけで……。



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