汚レ唄

だけど、空いた穴は誰と会って遊んでも埋まることはなかった。






「それ……は、祐君を……自分勝手……に、呼び出せって……こと?」


それは搾り出すように掠れかけた声だった。






祐君となら穴は埋まるかもしれない。

だって、私の心は開きかけているから。







「……そうだよ。僕を利用してくれたらいい。

傍にいてほしい時に呼び出して、都合が悪くなったら関係を切ってくれたっていい」


関係を切る……

それはいつも私がしていたこと。


利用する……

それはいつもしていた、私がよく知りもしない人と遊ぶこと。

私はいつも男を利用していた。





祐君を利用すれば、穴は埋まって元通りになれるかもしれない。


お兄ちゃんを好きでも何事もなく接せられたあの頃のように。




そうすれば、私は幸せになれる。







だけど、





だけど……


「祐君だけは、利用できない」

「っなんで?!」


祐君は勢いよくブランコから降りると私の前までやってきた。



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