汚レ唄


逆光で見えなかった顔が半分だけ現れる。


その表情は、今にも泣き出しそうな、そんな瞳をしていた。




「好きなように使ってくれたらいいから!!

だから……傍にいさせてよ」




泣き崩れるように座り込んでいく祐君の姿を見ると無性に胸が締め付けられるような感覚になる。

私は大事な人を傷つけた。






だけど、

だけど……
「そんなことしたら、私は自分が嫌になる」





ブランコから降り、ベンチへと向かう。


そしてカバンを持ち、公園を出て行こうとした。





純粋な人だから。

1000パーセント優しい人だから。



キミだけは利用できない。



たとえ、この穴が埋まらなくて

この先、何人の人と出会うことになっても。


そして、それでも埋まることのない穴でも。



祐君だけは利用できない。



利用なんて言葉が似合わない人だから。




でも傷つけてしまうなら、私は祐君から離れた方が良いかもしれない。



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