汚レ唄


公園を出て、1歩2歩と歩き出す。


そんな時だった。


「───っ待って!!!!」

背中にかけられる声は、キミに似合わない程大きな声。


私は振り返ることなく、足を止めた。




私に、好きな人がいるとわかっていても“仲の良い友達になろう”と言ってくれた祐君。


あの時、どんな気持ちだった?





「……もう決めたから!!」




振り向かなくてもわかる。


キミは……祐君はきっと、私と会わないことを決めたんだ。






──報われない恋をした。


──何年も、何十年も……。




だけど、それは簡単に崩された。


脆くて、立ち直る術を知らなくて、無我夢中でもがいてた。





──誰でもいいから一緒に堕ちようとした。


そんな人間と誰が関わりたい?


そんな弱い奴と一緒に堕ちてくれる人なんて誰もいない。





だけど、祐君は更に言葉を続けた。













「僕は!!

…………俺は!!!!
もう、自分勝手に生きてやる!!!!」







そう、あなたは自分勝手にすればいい……………










…………ん??








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