汚レ唄
……そっちがその気なら、俺だって考えがあるんだからね!!!
俺だって勝手に色々するからね!!
それでもいいよね!!!!」
ずっと叫ぶ祐君を見て、私は何も考えられなくなった。
制服のズボンには公園の砂がくっついていて、
泣き出しそうだった瞳は、そんな様子もなく、キラキラと力強く輝いていた。
流れるような髪の毛は、風のせいかボサボサになっていた。
……あれ??
この人は誰?
あれれ?
こんな人だったっけ?
祐君ってもっと大人しい人じゃなかった??
本当はこんな人?
呆然と祐君の姿を見ていた私に、祐君はズボンの砂を振り払うとゆっくり近付いてきて笑いかけた。
「はい♪
じゃあ、最初の自分勝手。
一緒に帰ろう」
祐君は左の手の平を上にして私の目の前に差し出した。
それはまるで社交ダンスで『踊りませんか?』と誘うような仕草で、私はつい自分の手を重ね合わせた。
そして、来たときのように手を繋ぎ……というか突っ立ってる私を引っ張って祐君は歩き出した。
2人の後ろには夕日によって作られた影たちが仲良さそうに伸びていた。