汚レ唄

── 待人 ──



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「陽菜ぁ~?途中まで一緒に帰ろう」

「うん」



昨日のことを那智は何も聞かない。


それはありがたい事だけど、でも、なんだか気まずさが残る。


私だけかもしれないけれど。





2人で階段を下り、下駄箱で靴を履き替える。


そして校門へ歩いていくと、何だか校門付近が騒がしい。





「アレ、何だろうね」

那智の言うアレは校門にできた人だかりのことだった。



「抜き打ち制服チェックとか?」

普通は朝、校門で生活指導の先生が制服をチェックすることが多い。



だから、みんな朝だけはスカートの折り目を元に戻したり、ネクタイをきちんと締めなおす。


そして、校門を潜り抜けてからスカートを折って短くし、ネクタイを軽く緩める。






それが朝の習慣だった。


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