汚レ唄


兄妹かな?

すごく楽しそう。





そうだった。

私はお兄ちゃんが好きで、ずっと想ってきた。



あの子たちぐらい小さなときから。



それなのに、お兄ちゃんに彼女が出来たからって私はすぐに他の男にフラフラしてた。



……何してんだろう。私は。


心開いちゃダメじゃないか。

ずっとこの気持ちを抱いて生きていくって決めたのに。



お兄ちゃんへの気持ちはそんな簡単なものじゃなかったはずなのに。



本当になにしてんだろう。






「ねぇ、祐君」

視線を車内に戻して祐君に話しかけた。


私の気持ちを言わなくちゃいけない。


この人の優しさに甘えてばかりいちゃいけない。



「私、好きな人がいるんだ……」

どんなに想っても交わることは一生ないけれど。


やっぱりお兄ちゃんのことが大好きだから。


他の人にフラフラしちゃったけど、たどり着く先はお兄ちゃんなんだ。




「知ってるよ。
だけど、僕は、自分勝手に動くって決めたから」

「ごめんなさい。
それでも、やっぱり私はお兄ちゃんが好きだか……ら……」









…………。






あれ?






私、今……。



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