汚レ唄
祐君は続けて話し出した。
「理由は何だっていい。
ただ、毎日陽菜ちゃんに会いたいから。
だから、僕は毎日ここに来たんだ。迷惑でも嫌でも関係ないよ。
これは僕がしたいからしてることなんだから」
泣きそうな顔してる。
結局、何をしてもキミを傷つけてるね。
だけど、それも今日でお終いにしよう。
「私はお兄ちゃん以外好きにならない。今までも、これからもずっとずっと」
「…………」
「だから、もう近付かないで」
それだけ言って帰ろうとした。
これ以上一緒にいたら、また祐君のペースに飲み込まれちゃう。
また利用しちゃうと思うから。
夕暮れに染まる空。
君の声だけが響いた。
「っ陽菜ちゃん!!
僕、諦めないから!!!!
陽菜ちゃんが誰を好きだろうが僕には関係ないから!!
僕は陽菜ちゃんが好きだ!!危なっかしいところも、優しいところも……全部丸ごと好きだから。
覚えといて。僕はいつだって、陽菜ちゃんの味方だから」
なんで……なんで、キミはそんなに優しいんだろう。
なんで……そんなに私を想ってくれるんだろう?
こんなに嫌な奴なのに……