汚レ唄


どうして、祐君は私にかまうのだろうか


どうして、祐君はこんなに優しいのだろう





毎日ここに来ると言った。


あんなに拒絶した後でも。




彼はワガママになると言って、毎日ここに来ると言った。



彼のワガママは私への優しさだった。



自分が何を悩んでいるのか

何を想っていたのか


わからなくなった



だけど、彼の優しさに触れると、全てがどうでもよく思えた。



彼は、私を大事にしてくれている。


それが痛いほど伝わってきた。



兄を好きだった。


他に好きな人が出来るとは思わなかった。

諦められるとも思わなかった。



だけど、何故か、今、諦めに近い感情を持っている気がする。


兄はいけないと、心底感じる。



祐君となら穴は埋まっていく。


心の中がホカホカと温かくなって、大事にしてくれる気持ちが空いた穴を埋めていってくれた。



不思議な人


彼は私にとって何だったのか……

< 140 / 665 >

この作品をシェア

pagetop