汚レ唄



自分が堕ちる分、人を巻き込んで堕ちようとする自分が嫌になる。








それでも、祐君に無性に会いたい。



会って、ごめんなさいって謝りたい。


今までたくさん迷惑をかけたから。


最後に謝りたい。






謝りたいっていうのは自分を正当化するためのきれいごとなのかもしれない。


だけど、もうなんだっていい。








血のついた手で携帯を取り出し、電話帳から祐君の名前を探す。



『────…もしもし?』


なんで、祐君の声を聞いたらこんなにホッとするんだろう。


こんなに安心するんだろう。




「……も、もしもし?祐君?」

『……初めてだよね。陽菜ちゃんと電話で話すの』


なんか嬉しいなってキミの楽しげな声が聞こえる。


だけど、限界なのかもしれない。目がかすんできた。



足元には大きな血の水溜りが出来ていた。




「ちょっと、……声ききたくて……」

フラフラする。



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