汚レ唄
壁にもたれかかっている黒いギターケース。
祐君ギター弾くんだね。
何かイメージとは違う。
けれど、きっとキミの奏でる音色は優しいんだろうな……。
なんだろう。
すごく眠たい。
さっきから左手首がものすごく痛む。
ジンジンジンジン。
痛みを主張してくる。
それになんだか重たいや。
左腕が上がんない。
目線を左手首にやると、リストバンドが湿っていた。
血を吸い込んで吸い込んで吸い込んで……
だから重たい。
あー……私、本当に死ぬんだな。
やっと本当に死ねるんだ。
死ぬ時は、ここを離れなきゃ。
祐君に迷惑かけちゃうもんね。
って、なんでこんなに冷静なんだろう。
変なの。