汚レ唄

壁にもたれかかっている黒いギターケース。

祐君ギター弾くんだね。

何かイメージとは違う。






けれど、きっとキミの奏でる音色は優しいんだろうな……。








なんだろう。

すごく眠たい。




さっきから左手首がものすごく痛む。


ジンジンジンジン。

痛みを主張してくる。




それになんだか重たいや。

左腕が上がんない。

目線を左手首にやると、リストバンドが湿っていた。


血を吸い込んで吸い込んで吸い込んで……
だから重たい。








あー……私、本当に死ぬんだな。

やっと本当に死ねるんだ。

死ぬ時は、ここを離れなきゃ。



祐君に迷惑かけちゃうもんね。


って、なんでこんなに冷静なんだろう。


変なの。


< 157 / 665 >

この作品をシェア

pagetop