汚レ唄

そのマグカップを手に持ち、フーフーと冷ましてから、飲む。

体の中からあったまる。



「それにしても、派手にやったのねぇ〜?」

すでに那智のお母さんはドラマを見ておらず、コチラをじっと見ては、自分の頬に指をトントンと当てた。




その仕草、祐君と同じだ。


なんだか嬉しくなる。

なんでだろうね。



それから、頬を直接触れると、
「まだ熱いわね〜」
と自分の頬も触って熱を計るかのように比べる。



っと思ったら、いきなり、コチラに顔を近づけ、


「陽菜ちゃんのほっぺた、柔らかいわね〜」
とまたにっこり。











“癒し系”



この言葉が頭の中を埋め尽くした。



多分、いや。絶対、那智のお母さんは癒し系。





「あっ!!そうそう!!とりあえず冷やしてみようね〜」
とまたニッコリ笑って冷凍庫から、少し小さなアイスノンを取り出してタオルで巻いて手渡してきてくれた。



「ありがとうございます」

再び、お礼を言って、ホットミルクをゆっくり飲み干した。


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