汚レ唄
あぁ、なんかお腹がポカポカする。
「あったまった?」
涙目で見ていたドラマが終わってしまったのにも関わらず、ただ私の心配をしてくれる。
私の周りには優しい人ばっかりだ。
「本当に、急に来て、迷惑のかけっぱなしなのに、……なんていうか、ありがとうございます」
「そんな水臭いこと言わないの。
私、陽菜ちゃんのこと大好きだから、いきなりでも何でも、きてくれると嬉しいわぁ♪」
“大好き”
この言葉は胸の奥にジンワリ染み込んだ。
大好きって言われるとすごい嬉しい。
「あの……えっと、その……私もおばさんのこと、……大好きです」
言われると凄く嬉しいけど、言うのは凄く恥ずかしい。
「あら〜。相思相愛ね〜」
うふふっと笑う那智のお母さん。
あったかい。
「あっ……じゃあ、那智の部屋、行きますね」
「はいは〜い。お布団敷いてあるからゆっくり寝てね」
「はい。っあと、スーパーの袋と輪ゴム、濡れちゃったんで洗面台のところにおいてあるんですよ」
「あ〜はいはい♪わかりました。わざわざありがとねぇ」