汚レ唄
「……ありがとう」
「おやすみ」
那智は反対側に寝返りをうつと頭をかいた。
照れてる時のサイン……。
那智
祐君
私は幸せ者だったんだね。
見返りを求めない愛
2人の無償の愛に包まれてたんだね。
「ありがとう」
もう1度、声に出してみた。
規則正しい那智の息づかいが聞こえてくる。
いつの間にか止まってた音楽。
きっとね、
もう次に恋に堕ちる人は決まってるの。
優しく包み込んでくれるキミ。
朗らかに笑って
時々意地悪だけど
大切にしてくれるキミだと思う。
だけどね?
少し待ってくれないかな?
この気持ちを清算するまで、待ってて。
自分の気持ちを消化させてから、キミの元へと走りたいから。
待ってて。
待っててなんて言える立場じゃないのにね。