汚レ唄
その後、私たちはどちらともなく手を繋いで公園をでた。
それから駅まで、並んで歩く。
街頭で照らされた光を浴びて、2人の影が伸びていく。
このまま、こうしていたいと思うのは、お兄ちゃんの代わりに思ってるからなんだろうか?
それとも…………。
真ん丸い満月の柔らかな光がこの先も2人を見守ってくれますように。
願いを込めて歩く。
顔を上げて、
前だけを見据えて。
── 私は知らなかったんだ。
血の繋がった者同士が想い合う、本当の意味を。
その成れの果てを。
私はただの挫折者でしかなかった。
身も焦がれるような禁断の愛の果ては、
……世界をも揺らがす。
それは、ずっとずっと悲しい物語……。