汚レ唄
それから、私。
黒のアイメイクに灰色のコンタクトレンズ。
黒く染めた髪を四方八方に逆毛立たせ、ウニのようにとがった髪にシルバーのラメが雨粒のように光り輝く。
首もとが激しく開き、レースの入ったキャミソールが胸元からチラリと見え、裾が膝上までしかなく、左から右にかけて長くなっていくアシンメトリーな着物。
膝下には真っ黒なヒールの長いブーツを履き手首に5、6本のバラの小さな花束がくくりつけられ、結んだ赤のリボンが長く長く垂れている。
次に、明るめな茶色の髪をピンクや黄色などのピンで器用に止め、髪の先にワックスをつけ、毛の束を無造作にハネさせ、右肩だけ着物を羽織り遠山の金さんのような出で立ちに、着物のない左腕は肘の辺りまでドクロマークが入った黒いアームウォーム。
脛まである着物の裾からは黒のブーツが見える拓斗。
そして、1番右に肩の上ほどまで伸びた黒の髪の先だけを遊ばせ、8:2の割合で分けた前髪で、切れ長の瞳を片方だけ隠し、刀の代わりに、腰にドラムのスティックを刺し、肩がビリビリに破かれながらも比較的、普通の着こなしをした静。