汚レ唄
── 葛藤 《蒼》 ──
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手に入れたいものがあった。
ずっとずっと、
昔から手に入れたいものが。
だけど、
それは、どうしても手に入らなくて……。
俺は、逃げた。
手に入らないものなら、もういらないと強がった。
だけど、やっぱり手に入れたくて……。
最低なやり方で手に入れた。
自己嫌悪?
んなもん、手に入れる前からとっくに持ってる。
卑怯?
そう、俺は卑怯なんだ。
自分にとって、最高に都合のいい逃げ道を作って、手に入れた。
罪悪感なんてもんよりも、手に入った喜びのほうが断然大きいし、
虚しさなんてもんよりも、幸せのほうが強い。
俺は、そういう奴なんだ。
最低最悪な卑怯者。
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