汚レ唄
あさひ……
麻緋……。
愛しい人。
「……麻緋、愛してる………」
酔いが回ってきたのか、頭の中がクラクラと回りだし、そのまま麻緋の上に落ちた。
目が覚めて、麻緋が隣で寝てたら……。
そんな夢を何度も見てきた。
朝ごはんを作ってやって、一緒にテレビを見ながら食べるんだ。
それで言うんだ。
ずっと好きだったって。
もし、麻緋が、俺のことを少しでも男としてみてくれたらさ、
きっと、朝、隣にいてくれるよな。
今日は逃げてしまったけど、明日、ここにいてくれたら、それは1歩踏み出す勇気に変わるから。
だから、待ってろ。
何年も蓄積した気持ちを伝えてやるから、一緒に寝よう。
な、麻緋。
幸せな夢を見た。
とっても幸せな夢だ。
だけど、朝。
お前はいなかった。
これが、お前の答えなのか、麻緋……。