汚レ唄
放置し続けてようやく、羽香の笑いも治まってきたようだ。
「はぁ……笑った笑った」
目の端から零れ落ちた涙を人差し指ですくいキシシとバカにしたような笑いをする。
「満足か?」
自分の行動を笑われて、さすがにいい気はしない。
「大満足!!さってと、そろそろ休憩終わる時間だ」
っと笑うだけ笑って立ち上がる羽香。
なんで、こんなに普通なんだよ。
いくらなんでも、昨日別れたばっかだぞ?
「なぁ?」
「ん?」
「俺ら、別れたんだよな?」
「うん。…………あっ!!まさか、昨日のことを引きずって、切り過ぎちゃったとか??」
さっきのことをまた思い出したのか、顔がにやけてる。
「んなわけねーだろ?!調子にのんな」
「わかってるって。
蒼と私は、付き合うっていうより仲良しキョウダイだったんだよ。多分。
彼氏彼女なんて私たちには似合わない。
これが一番ぴったりくるんだよ。だから、今が一番自然体なの」
「キョウダイねぇ……。ちなみにどっちが上?」